[ニューヨーク 27日 ロイター] - 27日のニューヨーク外為市場では、ドルが全面高。欧州中央銀行(ECB)が来週の理事会で追加利下げを実施し、スイス中銀がECBの動きに追随するとの観測が強まる中、ドルは主要通貨バスケットに対し8カ月ぶり高値を更新した。
欧米の金利政策の方向性の違いが注目される中、ドル指数は2003年6月以来の高水準となる100.39をつけ、年初来の高水準に迫った。
ECBとスイス中銀が追加緩和を実施することが見込まれている一方、米連邦準備理事会(FRB)は12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを実施すると予想されている。
ドル/スイスフランは5年ぶりの高値を更新。週足では1.1%超上昇した。前週も約1.2%上昇していた。
ユーロ/ドルは一時上げに転じ、1.06ドルを上抜ける場面もあったものの、終盤の取引では0.1%安の1.0596ドル。オーバーナイト取引では7カ月ぶりの安値をつけていた。ECBが来週12月3日の理事会で追加緩和を実施するとの観測が高まる中、ユーロ/ドルは11月に入ってから3.7%下落している。
上海外国為替市場では、人民元の対ドル相場が軟化。国際通貨基金(IMF)が30日に人民元を特別引き出し権(SDR)構成通貨として採用を決定するのを前に、中国人民銀行(中央銀行)が人民元の対ドル基準値(中間値)を3カ月ぶり安値水準に設定したことが背景。オフショア市場の人民元も約2カ月ぶりの安値をつけた。
26日は米感謝祭の祝日だったことから、この日は市場参加者も少なく、為替相場は中国・上海総合指数の大幅安にも影響薄だったと、オアンダの首席為替ストラテジスト、ディーン・ポプルウェル氏は指摘した。
同氏は「休暇気分が続いている」とし、ブラックフライデー(感謝祭翌日の金曜日)を含む今週末の小売売上高の状況が明らかになれば、取引は活発化するとの見通しを示した。